2019/09/30 解説
にわか解説者
スポーツ解説者といえば、誰が一番に思い浮かぶだろうか。
やはり有名どころ、、、というか、インパクトでいうと増田明美さんだろうか。現在開催中のワールドカップバレーでいえば川合俊一さん、MGCや世界陸上でよく見たのは高橋尚子さん、もはや解説者ではなくキャスターになっているけれども松岡修造さんなどが有名どころだろう。
私が好きなサッカーで、多くの人を魅了した解説といえば、セルジオ越後さんと松木安太郎さんのダブル解説だと思う。
実況のアナウンサーを置いてきぼりにして始まる二人の応援、言い争いからの大人というか子供の喧嘩、そして勝利した時の二人の一体感。おじさん二人が特等席でサッカーを観戦している状態としかいえない(そして解説の仕事を実況のアナウンサーがするという役割分担)。数十年前の若かった私は、この二人は、解説をする気がないのだろうと思っていた。
ところが、3?4年前から松木さんの解説が変わってきた。戦術面の説明をし、選手の特徴を挙げ、ディフェンスラインやスペース、システムについても語るようになった。そして実況のアナウンサーはほぼ実況に専念し、アナウンサーと松木さんの会話がかみ合うようになっている。
もしや、松木さんは、(サッカーの伝道師と呼ばれるセルジオ越後さんと共に)数十年前は、あえて解説者としての能力を隠し、誰にでも伝わる直感的なコメントを多用して日本人のサッカー観戦に対するハードルを下げ、昨今、詳しく語るサッカーファンが増えたことを受け、そのニーズに応えるべく存分に解説をすることにしたのではないか。だとしたら、この人は本当に日本サッカー界のことをよく考えている凄い人に違いない。
1サッカーファンに過ぎない私が妄想で松木安太郎物語を作ってしまったが、解説者に着目してスポーツを楽しむのも悪くない、と思っている。
そういえば、私は女子サッカーも十数年前からテレビ観戦しており(あれ、、、数十年前か?)、こちらの解説にはブレがない。通常は元日本代表選手が解説者となり、人も入れ替わっているのだが、どの試合でも現在の松木さんタイプの解説をそつなくこなし、時々自分たちが代表だったころの思い出話を挟み、ラスト5分で感情が出始める(不甲斐ない試合をしていれば声が低くなるし、いい試合をしていれば明るく、そしてときには感動のあまり泣き出してしまう解説者もいる)。正直にいうと、昔の松木さんを見習って、もう少しエンターテインメント寄りの解説をしても良いのではないかと思っているが、そういう不器用なところも好ましい。