2019/02/18 精神的な飢え
生物係
NHK Eテレに「昆虫すごいぜ」という番組があり,カマキリの着ぐるみを着た香川照之氏が昆虫を紹介するもので,2016年から不定期に放送されています。
「昆虫すごいぜ」は,香川氏が文字通り体を張りながら,真剣勝負でターゲットとなる昆虫の採集へ挑み,少々脱線しながらも,昆虫について熱く語る番組内容であり,毎回,子供と楽しく視聴しています。
香川氏は,雑誌インタビューの中で,昆虫観察から得られるものとして,「飢えていることの大切さ」を説いています。例えば,カマキリは,自然界において,力強く,俊敏・獰猛に獲物の昆虫を捕食し,それが魅力的であるものの,飼育下に置いてしまうと,十分な餌を与えられることから,そのような姿が見られなくなってしまうようです。つまり,常に飢えているからこそ美しいのであって,満たされ過ぎてしまうと醜くなってしまう,これを昆虫から人間に置き換えると,「精神的な飢え」をもつことが重要であるというものです。
これまでの自分の業務を振り返ると,弁護士登録してから3年目程度までは,常に新しい事件・案件の連続であり,とにかく目の前の案件の業務処理をこなした結果,知識やノウハウ等を蓄えていきましたが,その後,これまでの経験を基に事件処理を行うことが増えた結果,弁護士登録3年目までのような「精神的な飢え」は鳴りを潜めてしまったようにも思われます。
昨今,弁護士業界についても,AIによってその大部分を代替することができるようになるのではないかと言われており,新しい法律分野であるのか,これまでに経験したことのない業態・業界に関するものなのか,あるいは,法律や業務分野などの形式的なものではなく,AIによって代替しようがない人間力を磨くことなのか未だ自分自身でも結論は出ていませんが,日々の案件をこなしつつも,新しい業務開拓に繋げ,且つ,代替性のないオーダーメイドな業務を提供する視点・姿勢を忘れずに業務に勤しんで参りたいと思います。