2015/12/15 昭和を追う
ハシゴすると大層疲れ
巷では,昭和を懐かしむ風情が流行りのように思われ,私もその一人というか,今,仕懸っているのは
「銭湯めぐり」で,仕事帰りに一つ,二つ…とお訪ねしているところ,「スパ」と言ってもいいようなツルツ
ルフロアーの近代的設備もある反面,薄暗い蛍光灯の下で湿気を含んだ歪な床に歴史を感じさせる番
台銭湯もあり,そのいずれであっても(たいがいは)熱めの湯に手足を伸ばし浮いているだけでたいそ
う幸福な気持ちに浸ることができ,これで460円(都内。回数券もある。)とはかなりお安いレジャー
(?)であるが,よく考えてみると子供のころから内風呂で,銭湯が懐かしい懐かしいというのも実は相
当ウソ臭いなと自分でも思うのであるが,何か高尚な理由があってのことでなく,ただ世の中の全ての
「速さ」に生物としての人のサイクルが何となく間に合っていたように思われる平和で安穏としていた頃
が懐かしく,広い湯船の波紋はまさにそのリズムの代表格なのだということで,このところ雑誌や新聞
でも取り上げられることが多くなり下手に込み合ったら嫌だななどと余計な心配をしていたところ,どう
やらそこまでのブームになりそうもないのは,やはり「全裸になる」とか「家に帰りつく前に風呂を済ませ
てる」という勤め帰り人のレクリエーションとしては少々心理的?ハードルが高いせいだろうかなどと勝
手に思う今日この頃である。
飽きたら次はどの昭和を追いかけることにするか……。