弁護士法人 小野総合法律事務所 ONO SOGO LEGAL PROFESSION CORPORATION

ブログBLOG

2019/12/17 「何でもハラスメントの世の中ですが」

親という生き物というのは…

  私の住んでいる区は、東京都の中で私立中学進学率が最も高いという。





  確かに、うちの子たちが通っている小学校の隣の小学校は、区内でも指折りの有名校(区立小学校なのに)らしく、区内のみならず区外からわざわざその小学校の学区内に引っ越してくる人がいるというし(現に上の子の保育園のお友だちにもそういう子がいた)、駅前には、大手の中学受験塾がいくつもある。うちの嫁さんが収集してくる情報によると、上の子(小学3年生)の同級生には、既にそのような中学受験塾に通っている子が少なからずいるというし、聞けば小学1年生から塾に通っている子もいるという。また、塾に限らず、習い事を複数掛け持ちしている子が大半で、子どもはともかく、親の教育熱は相当高いようだ(ちなみに、私自身は、PTA含め、親の会合にはほとんど参加しないので、情報の大半は嫁さんからの伝聞ということになる)。





  親の学歴をあまり把握していないので多分に推測によるものになるが、そのような子の親というのは、おそらく、自分自身も子どものころにそのような育ち方(育てられ方)をしたのではないかと思われる。現に、私の知っている人の中には、自分が受けたという教育方法と同じ方法を自分の子にそのまま適用している人もいる。





  私自身は地方出身で、中学受験というと〇〇大学(国立)付属中学に進学する子はいたものの、学年に1人、2人いるくらいで、大半が公立(市立)中学に進学することになり、受験はしない。初めての受験は、高校進学時ということになる。

  小学生のころなどは、宿題があったという記憶はなく、宿題を家でしたという記憶もほとんどない。学校から宿題が出るのは長期休暇(夏休みや冬休み)くらいだったと思うが、長期休暇の半ばくらいに答えが配られるので、それを丸写しして提出していた。長期休暇は休むもので、自由研究さえ片付ければ終わり(自由研究が唯一最大の難関)という感じである。

  末っ子ということもあってか、親にはほぼ放置され(親は親で共働きということもあり忙しかったのだとは思う)、毎日放課後は友だちと遊んでいたし、親に勉強しろと言われたことは、ただの一度もない。もちろん、塾など(大学浪人で予備校に1年間通ったほかは)通ったこともない。

  高校受験の受験勉強期間は9か月程度、大学受験の受験勉強期間は(1浪したので)1年9か月程度、司法試験の受験勉強期間は3年半程度ということになる。





  片や、うちの子たちは、(公立小学校なのに)毎日宿題が出るし、上記のとおり同級生では3年以上かけて中学受験をする子もざらである。

  小学生が受験のためにそれほど長い時間をかけて勉強することができるのだろうか。生涯勉強することになることを思えば、勉強嫌いとなったり、知的好奇心を失うこととなっては元も子もない。そもそも勉強などやらされるものではないだろう。

  聞けば、私立の中高一貫校では高校からの募集を止めるところが増えているというし、公立でも中高一貫校が増えている。自然、中学受験者が増える環境ということになるし、自身の経験則など通用しないのだろうが、大事なことが何であるのかは見失わないようにしたいと思う。