2013/10/16 『仏頭鑑賞記』
伐折羅(バサラ)大将推し
先日,上野で開催されている興福寺仏頭展(会場:東京藝術大学大学美術館)に行ってきました。
興福寺仏頭は,破損仏でありながら国宝指定を受けているとても珍しい仏像で,教科書等でご覧になったことがある方も多いと思います。
最近の展覧会はすごいですね。LED照明によって展示物に与える影響が少なくなったとかで,展示物がガラスケースに入っておらず,手を伸ばせば触ることができるような状態(もちろん触ってはいけないのですが)で,しかも360度から鑑賞できるように展示されています(鑑賞する者にとってはとても嬉しい展示方法なのですが,反面いたずらをされたりしないか少し心配になります。)。
さて,興福寺仏頭ですが,想像していたよりでかい!薄暗い会場の中央で照明によって浮かび上がった仏頭は,ミステリアスでかなりの迫力でした。この仏像が頭部だけになってしまったのは,15世紀初頭に火災にあったことが原因とのことですが,仏頭のみが残っていることによって,かえってこの仏頭の美しさが際立っているような印象を受けました。
説明文を見て知ったのですが,この仏像(仏頭)は元から興福寺にあったものではないんですね。
説明文「元々山田寺にあったものを興福寺の僧が強奪し・・・」
私「・・・」
まあ現代の価値観で過去を語るのは野暮ですね。
この展覧会ですが,興福寺仏頭のほかにも興福寺の板彫十二神将像(国宝)や木彫十二神将立像(国宝)も展示されています。隣で鑑賞していた若い女性は,木彫十二神将立像を見て,「萌える」と呟いていましたが,何となくわかります(ちなみに,興福寺仏頭展の公式ホームページ上(「仏頭タイムス」)で,(リアル)神セブンを決める「十二神将総選挙」が開催されております。)。
まだ見たことがないという方はもちろん,既に興福寺で見たことがあるという方も,展示方法に工夫が凝らしてあり新たな発見があると思いますので,足を運んでみてはいかがでしょうか(11月24日(日)までの開催です。)。