主演男優の「地上波のドラマではおそらく１００％企画が通らないと思う」とのコメントに惹かれ、先日ネットフリックスの「THE DAYS」というドラマを見た。福島第一原発の事故を描いたドラマで、「事実に基づく物語」と強調されているとおり、登場人物、会社は一応架空のものとなっているものの、ノンフィクションに近い作品となっている。

ネタバレになるのでドラマの詳細を紹介することは控えるが、途中「いやこれもう無理でしょ」と呟いてしまうような絶望的な状況がこれでもかと押し寄せ、現在東京で生活できていることが奇跡に近く、また日本という国そのものが窮地に立たされた瞬間ということがわかるドラマであった。

当時の福島第一原発の所長であった吉田氏については、事故前の対応を批判する声もあるようだが、少なくとも事故後の対応については、当時の福島第一原発の所長が吉田氏であったことは天の配剤であったのではないかと思うほど献身的なものであったと思う。暴走ともいうべき原発の状況がなぜ沈静化したのかははっきりとはわかっていないようだが（このことにも驚いたのだが）、当時原発内で対応に当たっていた方々の念が天に通じたのではないかと思わせるほど、当時の職員の対応はまさに命がけ（というより死を覚悟していたと思う。）であったことがこのドラマを見てわかった。

見終わってスッキリする類のドラマではないが、今ある日常が当たり前のものではないことを認識できる内容になっており、お勧めしたい。 なお、ネットフリックスでは、このほかにも、「サンクチュアリ－聖域－」というこれまた地上波では１２０％無理と思われる大相撲を題材としたドラマも配信されており、こちらもお勧めである。