2020/08/17 コロナ禍の影響
馬券オヤジ
この記事を作成している2020年8月時点において、報道によれば、コロナ禍により一部の企業を除き、多くの企業は軒並み減収・減益となり、特に旅行業界・飲食業界などは悲惨な状況に陥っている。スポーツ興行も同様で、そもそも多くのプロスポーツの試合の開催ができていない状況にあり、プロ野球やJリーグなど一部試合が開催できているプロスポーツにおいても無観客試合や入場を制限したうえでの実施となり、その収益も大幅に下落することが見込まれている。
このような中、むしろコロナ禍において売上げを伸ばしているのが、競馬・ボートレース(競艇)などの公営ギャンブルである。インターネット上で拾ってきた数字なので不正確かもしれないが、中央競馬(JRA)は本年1月から6月の半年間の売上が前年比101.5%、地方競馬も3月?5月において軒並み前年同期を上回る売り上げとなっており、中にはこの期間に1日の売上レコードを更新した競馬場もあるようで、競艇・競輪なども好調とのことである。
最近になって徐々に入場を制限しながら観客を入れ始めているところもあるようだが、公営競技も他のプロスポーツと同様、基本的には無観客で実施している。場外馬券場も最近までは閉鎖されたままであった。それにもかかわらず、売り上げが伸びているのはなぜかというと、インターネット投票の利用である。
地方競馬や競艇はインターネットで、無料でレースをライブ観戦することが可能である。JRAではライブ観戦をするにはグリーンチャンネルなどの専用チャンネルの契約が必要であるが、レース後にはレース映像が無料で配信されている。そして、馬券や舟券は銀行口座を通じてスマートフォンで簡単にインターネット購入できるのだから、家にいながらにしてレースやギャンブルを堪能することが可能である。まさにステイホームにうってつけのレジャーになっているのである。
もちろん、この売り上げ増の背景には、コロナ禍による他のレジャー産業の落ち込みやステイホーム・おうち時間の影響が大きいはずだから、コロナ禍前の日常生活が戻った際にどうなるかという点は疑問だし、レース場内の飲食店などの関連産業は相変わらず売り上げが厳しい(どころか無観客だから売上ゼロのはず)という問題はあるが、公営競技の主催者にしてみれば、コロナ禍の期間において、ただでさえ売上げが伸びているうえに、これまで紙の馬券でしか買ったことがなかった「馬券オヤジ」(?)も含め、インターネット投票の会員が増えているわけだから、観客を入れてのレースが始まれば更に売り上げが伸びることも期待でき、まさにウハウハではないかと勝手ながら推測するところである。
上記の例はたまたまコロナ禍による影響がプラスに働いたという事例に過ぎないが、何がプラスに働くかというのは本当にわからないものだとしみじみ思う次第である。