2021/12/07 サウナイキタイ
サ活再開します
キャンプ好きの友人たちに連れられて、群馬の秘境にやってきた。
手のひら大の石ころがだだっ広く敷き詰められ、森の奥へと続く。そのさらに奥から、湧き出た水が小さな川となって、静かに目の前を流れている。顔を上げると、ほのかに紅く色づいた木々に私は囲まれていた。
秋を感じた。
電波も届かず、スマホがただのカメラと化す環境に身を置いたのは実に久しぶりである。
本格キャンプなんて何年ぶりだろう。
澄んだ空気を吸いながら、しみじみと感じていた矢先、友人たちは黙々とテント設営に取り組み始めた。
しかし、それはただのテントではなかった。
ワカサギ釣り用の暴風断熱テントの天井に、直径10センチほどの穴をあけ、煙突を通し、薪ストーブを置いた、手作りのサウナ用テントだ。
川原の石ころが薪ストーブに積み上げられており、セルフロウリュができるようになっている。
専門店で買った薪に火をつけて数十分。
入口を開けるとそこはサウナだった。
ちりちりに熱せられ、セルフロウリュに身も心も焼かれた汗まみれの野郎4人は、川の深場に飛び込んだ。
天然水風呂は流れがある。5秒も持たない。
体の水気をタオルでふき取り、アウトドアチェアで外気浴を行う。
鼓動と血流が、身体の外側から感じられる。
木々の間をゆっくりと雲が流れていく。
あぁ…帰りたくない…
月曜日の朝、出勤の足取りはいつもより軽かった。
友人たちのおかげで、ぜいたくな週末を過ごすことができたからだろう。
週末の過ごし方が、翌週の心身のコンディションにいかに影響を与えるか、その重要性を、身をもって感じられる瞬間だった。
しかし、サウナの魅力に改めて取り憑かれた私は、魔法の呪文で頭が一杯になっていた。
サウナイキタイ…