2024/04/15 ドリップってなにさ?
ゲイシャコーヒーは高価
ある日のこと,コーヒーが飲みたくなり,たまには贅沢をしようと思い,スタンドのコーヒーショップに立ち寄る(たまの贅沢でこの程度)。
私「ブレンド,ホット,Sサイズ(たまの贅沢でSサイズ)」
店員さん「ドリップでよろしいですか?」
私「ブレンドで」
店員さん「ドリップでよろしいですか?」
私「ブレンドで」
店員さん「ドリップでよろしいですか?」
私「ブレンドで」
店員さん「…(あきらめて)ドリップでお淹れします」
私「???」
後でググったら(←これも古い)ドリップとはコーヒーの「淹れ方」の種類のようである。「ブレンド」は「味」。つまり私はラーメン屋で「ラーメンですか,つけ麺ですか」と聞かれているのにひたすら「味噌」と答えていたことになる。
でもそのお店にサイフォンなんかなかったし,ドリップ以外できないじゃんと思ったら,「エスプレッソ」のお店でもあった。エスプレッソもまた(味ではなく)「淹れ方」の一つのようで,店員さんは「エスプレッソでなくて,ドリップでいいですね」と言っていたわけだ。
(閑話休題)
事務所では簡単な「ペーパードリップコーヒー」を愛飲している。ペーパーフィルターと粉が合体したものを1回毎にコップの上に載せてお湯を少しずつ注いで淹れる,あれである。
ある日,濃いコーヒーを飲みたいと思った私は,一度淹れたコーヒーを,もう一度新しいフィルターでドリップしてみた。味はもちろん結構なのだが,ぽつぽつ落ちるのを2回待つのは面倒くさい。
そこで次はペーパーフィルターを「二段重ね」にしてドリップしてみた。名付けてダブルドリップ,略称「ダブドリ」。これが案外素敵。お湯を注ぐのは一度で済む。味も結構。しかし,最初のセットがやや手間である。上段のフィルターを下段のフィルターにうまく差し込んでおかないと,淹れているうちにお湯でふやけて倒れてくるからである。また「より濃いものを…」と思っても,3段,4段積みはなかなか難しい。
そこでついに画期的な方法を編み出した。
ペーパーフィルターの口すら切らずそのままコップに入れ,コップの淵に引っ掛ける部分を手に持ちながらお湯を注いでじゃぶじゃぶと浸けるのである(注・高級品の場合,「仕様」が異なり,困難な場合もあります)。これは簡単。口を切らないからいくらお湯に沈めてもコーヒーの粉が出ることもないし,激しく揺らせばすぐに濃くなる。お片付けも簡単。より濃いものを飲みたければ2ついっぺんにじゃぶじゃぶすればよい(実践済)。もちろん,理論上は3つでも,4つでも,無限に可能である。
ああ,必要は発明の母。ただ,ふと気がついたのは,これはもはや「ドリップ」ですらないということである。
【後日譚】
この原稿を娘に検閲してもらった。じゃぶじゃぶのくだりまで読んだら平然と「あたしいつもこうだよ。めんどくさいじゃん」と…。 ああ,横着もまた発明の母。