2015/06/19 ー変わった店ー
にわとり
先日,北陸方面へ旅行に行ってきました。
といっても,北陸新幹線に乗りたかったとか別にそういう理由ではなく,ここ何年かは1年に2、3回,富山の某旅館(旅館といってよいか微妙な感じもする宿泊施設ですが)に泊まりに行っており,ある意味,年間行事のようなものではあります。
(なお,北陸新幹線に乗られる際には,できれば山側の座席がよいと思います。海側の座席に座ってもほとんど海は見えません。道中トンネルが多いのですが,山側の座席の場合,その切れ間から北アルプスの絶景が見えます。特に雪が残っている時期は壮観です。)
その際,最終日に金沢まで出て,寿司でも食べて帰ろうかと思ったのですが,生憎,めぼしい(と私が思った)店は,すべて予約で満席とのことで断られてしまったので,どうしようかと考えあぐねていたところ,機会があれば一度行ってみたいと考えていた,ある変わった店のことを思い出し,電話をかけてみたところ,早い時間であれば,席が空いているとのことなので,行ってみることにしました。
簡単にいえばステーキハウス(?)なのですが,何が変わっているかというと,店構えとメニューです。店構えはプレハブの物置そのものであり,店の中もそれに相応しい雑然さです。メニューも食べ物はヒレステーキ1品だけであり(したがって,特に注文を聞かれることもありません。),ライスも置いていません(裏メニューでロールパンがあるようですが,これもいつも置いてあるわけではありません。)。飲み物についても基本的に赤のグラスワインしか置いてありません。場所も金沢市内の中心部から結構外れた住宅街の中にあります。値段もそれなりにはします。正直,これで商売が成り立つのかという条件が揃っています。
ただ,ヒレステーキは,何日間かオイルマリネした牛ヒレ肉を鉄板で調理したもので,他では余りないやり方だと思いますが,非常に柔らかく,とても美味しいです(なお,肉の量も300gくらいはあり,付け合わせの野菜も含めて,結構食べ応えもあります。)。また,ご主人は色々話してみると面白い人です。
そういう理由からか,その店にいる間,1時間弱でしたが,ひっきりなしに予約の電話がかかってきて結構な繁盛振りであり,しかも話を聞いてみると,デートや家族のお祝い事等で来る客も多いとのことでした。また,店を構えてから今年で既に50年以上経っており,ずっと同じやり方でやってきたとのことでそれも凄いなと思いました。
色々と悪条件が重なっても,一つのことを突き詰めればそれだけの繁盛店になるということで,色々考えさせられた時間でもありました。