2023/05/19 古い事務所報
小野 孝男
終活の一環として古い書類を整理していたら、35年前の「事務所報」が一部だけ出てきた。
名称は「事務所だより」となっており、巻頭言を読んでみると、事務所報の第2号であることがわかる。
当時は、新宿に新しく事務所を開設した直後で、所属弁護士も3名しかいなかったので、表紙を含めてB5判見開き4ページのほんの小さな事務所報に過ぎず、当事務所の現在の事務所報である「小野総合通信」とは質量ともに比較にならないものである。
しかしながら、読み返してみると、小さくても、また、青臭くても、紙面の背後から若い弁護士のこれからどこまでも伸びていこうとする力強さを感じて、自分のことながら青春時代の溌溂さに対して羨ましい気持ちが生じるのを禁じ得ないのである。
記事の内容としては、クライアントのために役に立つ「身近な法律知識」をシリーズで執筆することとして、第2号では「名義株とはどんな株?」という解説文と、「相続人は誰」というクイズ形式の説明文、をメインにして構成してある。構成の仕方は「小野総合通信」と近しいものである。そういう意味では、法律事務の事務所報というものは、「クライアントに関心を持っていただく」という点では、いつの時代もたいして変わらぬものなのかもしれない。 思いがけなくも古い事務所報と出くわしたことによって、若い頃の自分を取り戻すことが出来、なんとなく懐かしい気分である。