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2021/01/15 商魂

海外に行けるようになるのは、だいぶ先ですね

  まだCOVID-19がヒトへ感染していなかった(感染が認識されていなかった)1年半ほど前、エジプト旅行に行ったときのことである。観光地では、道行く外国人観光客らに土産品などを買ってもらおうと、片っ端から声をかける地元人をよく見かけた。

  観光客が相当数訪れる国であれば、どの国でも同様の光景はみられるのだが、観光業への依存度の高いエジプトは、その民族性なども相まってか、ひと味違った面白みがあった。






  よく見かけたのは、品物を見せながら「ワンダラー、ワンダラー」(1ドル、1ドル)と、どの国の観光客にも通じる英単語を使って声をかけるパターンである(ただし、1ドル程度が適正価格に見えるような商品であっても、実際に1ドルで売ることは絶対になく、観光客が興味を示して商談に入ると、20ドルくらいは平気でふっかけてくるので、注意が必要である)。このパターンは、ありきたりなので、すぐに「あぁ、またきたね・・・」と飽きてしまう。






  次に、少し工夫を凝らしたパターンとして、一目でどこの国の人間かあたりをつけ(ここまでは、エジプト以外の国でもよくある)、こちらが日本人だと思うと、「ヤスイ!」など簡単な日本語の単語を使って興味を惹くパターンである。






  また、少し進化したパターンとして「カカク ハカイ(価格破壊)!」「ヤマ モト ヤマ(山本山)!」など、外国人が使っていると少し面白いと思えるような日本語の単語を使って興味を惹くパターンもあった。このあたりになってくると、どこの国に行っても見かけるというわけではない。ただ、『山本山』のテレビCMが日本で頻繁に流れていた頃(JTBと日本人観光客が世界の観光市場を席巻した頃)に日本人が現地人に教えて広まったのか、エジプトでは比較的よく見かけるパターンとなっている。







  そんなエジプトでも珍しい呼びかけがあった。「ヤマ モト ヤマ!」「ヤマ モト ヤマ!」と連呼し、「また『ヤマ モト ヤマ』パターンか・・・」と思わせた後に、「ヤマモト・・・モナ」とつぶやくパターンである。「ヤマ モト ヤマ」に比べれば新しいが、絶妙に新しくない。これを聞いたとき、商品は買わないまでも、思わず笑ってしまった。





  この現地人に日本語を教えた人のセンスなのか、現地人が覚えた日本語を組み合わせて使っているだけなのかはわからないが、とにかく感心したことを覚えている。


  このほかにも、「アラシ、アイバ」と連呼するパターンなどもあったので、まだまだ進化を見せることだろう。

  いつかエジプトを再訪したときに、どのような呼びかけに出あえるのか楽しみにしている。