2016/10/16 散歩への誘い
I.T
体を動かしたくなったとき,私はよく散歩をする。
家からスタートして心のおもむくままに街を徘徊するのだが,これがけっこう楽しい。
散歩をするのは昼より夜の方が断然良い。
夜だと目に入ってくる情報が少なく,雑音も少ないので,自分の意識に集中できるし,人通りが少ないので歩いていて心地良い(ただし,女性の後ろを歩いていると,ときにおびえた表情で後ろを振り返られ,傷付くことがあるというデメリットはある。)。
散歩をしながら道を覚えるのも楽しい。
私は散歩をするときはできるだけ歩いたことがない道を選択するようにしているのだが,未知の道を歩き不意に自分の知っている道に出て感動することもしばしばである。
散歩をしていると思いがけない体験をすることもある。
先日夜に散歩をしていると,鳴き声を出しながら私に近づいてくる猫がいた。
私は猫はあまり得意ではないのだが(以前の雑記帳でも書いたが,小学生の頃,通学路に毎日私にまとわりついてくる黒猫がいて,それがトラウマになっていた。),その猫が私の足元で静止したため,恐る恐る撫でてみると,その猫は次第に私に甘え始め,最終的に私の足元に横たわり,お腹を全開にした完全無防備状態で寝始めたのである。
その瞬間,私が小学生時代から抱えてきた猫に対するトラウマは霧散し,以降私は道端で猫を見かけると「ミャア」と声を出しながら近づき,撫でる機会をうかがうようになった。
深夜に2時間近く散歩をしたことなどを話すと怪訝な表情をされることが多いのだが,これといった趣味のない私が散歩の習慣だけは地味に続けているので,飽きない限りこれからも続けていこうと思う。