最近，１０年来の友人が演奏するジャズライブに時折顔を出しています。

私自身は音楽に造詣が深いわけではなく，むしろピアノ教室に通っても３年と続かず，学校の音楽の授業がクラシック曲の鑑賞の時には，数分のうちに心地よい眠りに落ちていたタイプですが，ジャズという気楽さと，友人が同世代の仲間と一緒に運営しているという身近な感覚もあって，行き始めました。

最初は音楽のことは全く分からず，楽しそうに演奏する友人の姿を見に行っていただけですが，ある時その友人が，いつものジャズライブではなくオーケストラでクラシックの演奏をするというので聴きに行ったところ，開眼しました。時代が全く違う作曲家の曲を比較して聴くことができたのが良かったのか，作曲家について予習したのが良かったのか分かりませんが，今までクラシックの曲は全て同じにしか思えなかったのが，その時だけは曲想やら人に与える安心感とスリルのバランスといったものを感じとることができたのです。

こんな風に人間新しいことが分かった気になると調子に乗るもので，それ以来いつものジャズライブに行っても，曲ができあがった国ごとに特徴があるものだと勝手に納得したり，メンバーが熱を入れている曲がどれなのかが分かるようになったり（合っているのかは知りませんが）と，毎回ライブで音楽を聴くことそのものが楽しみになってきました。

少し音楽が分かるようになったおかげで，今まで見向きもしなかった年末のクラシック特集を見てみたり，クラシックを絡ませたミステリー小説をより楽しめるようになったりと，良い広がりを見せています。
新しく趣味にできそうなことが見つかったので，我々と同様（もしかしたら我々以上にに）シビアな実力社会で頑張っている友人を応援がてら，ジャズライブ通いを続けたいと思います。