2021/12/27 猫の寺
寺にも神社にも通う人
東京都世田谷区にある豪徳寺というお寺をご存知でしょうか。
招き猫の起源には諸説ありますが、一説には招き猫(招福猫児)発祥の寺とも言われている、猫信仰の寺です。
昨年からのコロナ禍で外国人観光客はめっきり減ってしまったものの、招き猫を奉納する棚がいくつもあり、そこに白と赤と金のコントラストが綺麗な無数の招き猫が並べられている様が写真映えするということで、ここ数年は特に外国人観光客や猫好きに人気が高まっていました。
境内(寺務所)では、ストラップサイズから猫の実物に近いサイズまで大小さまざまな招き猫を購入することができます。そこで購入した招き猫は願かけをして自宅などに飾り、願い事が成就した暁には感謝を込めて境内に備え付けられた棚にお返し(奉納)する、というのが、一般的なお作法のようです。
我が家は、散歩コースの一つが豪徳寺の近くを通ることから、4年前に願掛けをして招き猫を連れて帰ってきたところ、今年になって願い事が成就しため、先日、豪徳寺に奉納してきました。
豪徳寺の招き猫は、小判を持たず、右手を挙げているのですが(右手を挙げているのはお金招き、左手を挙げているのは人招きといわれています)、どうやら商売以外の願掛けにも有効なようです。
また、豪徳寺には、21世紀になってから建てられた三重の塔があり、十二支に準えた動物の彫刻が施されているのですが、最初の干支である子(ねずみ)のところには、子とともに(子よりも大きな)猫の彫刻が鎮座しているなど、猫の寺らしさを存分に発揮しています。
ちなみに、豪徳寺は、彦根藩・井伊家の菩提寺であったようで、境内奥の墓地には、桜田門外の変によって殺害された幕末の大老、井伊直弼の墓があります。彦根藩三代目藩主(二代目という資料もあるようです)井伊直孝が豪徳寺の住職の愛猫に誘われて寺に入ったところ、しばらくして突然雷が鳴り、雨が降り出した、つまり住職の愛猫のお陰で井伊直孝は雷雨を避けられたという出来事が、井伊家が豪徳寺を菩提寺とし、猫を祀るきっかけになったと言われているようです。
お近くにお住まいの方、猫好きな方は、一度豪徳寺を訪れてみてはいかがでしょうか。