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2018/09/18 鮭シーズン到来!

フライマン

  秋は収穫のシーズンですが,私が楽しみにしているのは秋鮭です。といっても,食べることではなく,釣ることです。



  ここ最近は,ひと頃の自分の釣りブームも落ち着いてきて,ほとんど行かなくなってますが,鮭だけは別格です。



  というのも,ほんの20メートルにも満たない川幅から,80センチメートル,5キロを超える巨体を釣り上げる醍醐味はなかなか他の釣りでは味わえないからです。また外洋を泳いできたためか,そのパワーとスピードは想像を超えるものがあり,サイズ以上の迫力があります。海外ではもう少し大きな鮭も釣れますが,簡単に行けて釣りができるというのはこの釣りしかありません。



  釣り場所は,鮭の内水面での捕獲が法律で禁止されていることから,川で釣ろうとなると限られた場所しか釣れませんが,やはり,釣り場所の規模的にも,魚の量としても,歴史からいっても北海道の標津町にある忠類川をおいて他にないでしょう。元々,内水面での鮭釣りが禁止されていたのは先程述べた通りですが,漁業関係者と熱心な釣り人らの協力のもと,1995年に調査という名目で,知事の許可を得て釣りをすることが,初めて認められたのが忠類川なのです。ですので,釣りをするには,あらかじめ申し込みを行い,許可を得た上で,釣りをする際もルールを守り,手数料を支払って,釣った後も魚の種別,オスメスの別,釣った方法を報告する必要があります。この数の合計が年ごとの鮭の漁獲量の傾向などを分析,推測する資料となるのです。



  我々釣り人としては,国内でこれだけの釣りができれば調査には喜んで参加します。あとは現地に行って釣るだけです。ところが,忠類川の天然の鮭は一般的に想像されるような,川いっぱいに背びれを出して大挙して押し寄せるような感じではなく(場所にもよるでしょうが),川岸からは何も見えません。まずは魚を見つけることからスタートしなければなりません。この魚を見つける作業におよそ半日から1日要します。調査区間が決まっていますので,これの最下部から最上流部付近まで歩いて探すのです。川の流れが速いこともあり,川を渡るのも一苦労です。魚を見つける作業といっても魚を釣るだけですが,それも川の流れが速いこともあって,釣るのはかなり難しいです。釣り方については,私はフライで狙いますが,ルアーでも釣れないことはありません。川に入った鮭は餌を取らないらしく,専ら鮭の縄張り意識や攻撃性を利用して釣るので,鮭の鼻っ面にフライやルアーを通す必要があり,強く速い流れの中,底付近をヒタヒタと遡上を続ける鮭の鼻っ面に通すのは実はかなり難易度が高いのです。総じて水量が少なめで浅いこと,急流であるために大きめの石がゴロゴロしていますので,フライやルアーが頻繁に根掛かりします。それをクリアしてなんと釣れたとしても,鮭はパワースピードを兼ね備えていますので,それからも大変です。釣り人の方へ引き寄せて上げることはほぼ不可能に近く,だいたい釣れると数十メートルは走らされます。鮭の抵抗を交わし,引き上げる場所を見つけながら,徐々に間合いを詰めて釣り上げるまで,ハラハラドキドキの連続です。実際魚がかかったとしても,必ず釣り上げられるものではなく,逃してしまう(釣り人的には「バラす」)ことも多い釣りであるが故の緊張感があるのです。



  このようにしてなんとか釣り上げた時は喜びもひとしおで,これが鮭だけは釣りに行きたいと思わせる原因です。この釣りが日本の各地できるとありがたいのですが,忠類川の環境が素晴らしいこともあり,なかなかそのレベルに達する釣り場はありません。昨今は鮭の不漁の情報もあるように,極端に釣れない年もあります。実際に釣りにいってみると,川の様子を肌で感じることもできます。いつまでも自然のサイクルが続いていき,釣りが楽しめることを祈るばかりです。



  なお,標津町,中標津町には毎年行っていますので,美味しい店などを少しずつ見つけています。これも釣りの楽しみの一つですね。